冷たい君の不器用な仮面


チーン



エレベーターの音と共に、ドアがゆっくりと開く。




私はマスターが歩く後ろに続き、レイの病室へと向かった。



マスターは突き当たりの病室の前で立ち止まり、「どうぞ」と私に先を譲る。



私はその行動に特になんの疑問も持たず、ドアを開けた。






……そう、スライド式じゃないドアノブを回して。




___ガッシャ―ンッ



「おっいレイ!いい加減大人しくしろ!」



「嫌だ。帰る」



「ちょ、おおーーい!!!起きるな立つな歩くな帰るな!!」



「無理だ。帰る」



「無理じゃない帰るな戻れ!」




……あ、なんか入る所間違えた。



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