冷たい君の不器用な仮面



***




「……ユウもマスターも私の扱いひどいんですけど」




「え?何が?」




きょとんとした目で私を見るユウを、ぎろっとに睨みながらイスに腰かける。




なにが、え?何が?だ!




ユウはユウで、私を壁にしてレイを止めようとするし



マスターはマスターで、病室があの惨状だって分かってて先を譲ってくるし




………私を何だと思ってんだ




うーん。改めて思い出してみるとやっぱりひどいな。



私は二人にうまく利用されたことにため息をつきながら、レイに目を移した。





……見事なしかめっ面だ。




今まで見たことが無いくらい、眉間にしわが寄ってる。




レイは私がベットまで追いつめて、無理やり寝かせることに成功した。




そんなレイを見て、ユウが吹き出しながら口を開く。




「おいレイ、そんなしわ寄せてるとじいちゃんになるぞ?いいのか?」




「だまれ。」




相当…病院が嫌なんだね。



もう発する声からさえ、嫌悪感が漂ってくる。



まあ、こんな調子だから、病院出口から一番遠い病室に移動になったんだろうけど。







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