私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「…」
変な、夢。だったな…。
いつもと変わらない朝。いつもと、何も変わらない…。
起き上がろうとして、何かに引っ張られたような感覚に思わず動きを止める。
…服を、掴まれていた。それが誰かなんて、隣に寝ているこいつしか、ありえなくて…。
「…琴音?」
俺の服を握っている。偶然じゃない。
閉じられた指と手のひらの間にしっかり握られている服。偶然できた形には到底考えられない。“琴音が握った”そう考えることしかできない。
「…琴音、お前」
目を、覚ましたのか?それとも、今日見た夢と何か、関係が…。
体の力が抜け、ベッドに逆戻りしてしまう。目の前にいる琴音の表情に変わりはない。ただ、俺の服を握っている手は外れなかった。
頬に指を滑らせる。
なぁ、琴音。そこにいるのか?服を掴んだのは、その合図なのか…?
分からない。分からない、だけど、今までなんの変化も見せなかった琴音の変化に心は歓喜して、勝手に流れた熱い滴を止められなかった。