私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
一瞬で離れた距離。
何が起こったか分かってないような顔。笑みを浮かべると、呆然とした顔から笑みを向けられる。
挑戦的で、少し嫌な予感が混じる笑みだ。
「足りねぇ」
後頭部に手を回される。
逃げられない。そう気づいた時にはもう遅くて、近づいてくる季龍さんに目を閉じた。
されるがままに身を預ける。自然と季龍さんの服に手を伸ばし、両手で掴む。
ずっとこうしていられたらって、思ってしまうくらい幸福で心が満たされるような感覚に酔ってしまいそうになる。
離れたタイミングで目を開けると、季龍さんと視線が重なる。
その目には優しさの色しか浮かんでいない。
そのことに安心して季龍さんの肩に額をつけると、すぐに引き離されてしまった。