私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「琴葉、お前はいろはさんと、いろはさんが愛した人との間にできた子どもなんだ」
推測が、お父さんの言葉で確定に変わる。
驚きはなかった。むしろ、どこか納得してしまっている。
信じられないくらい私を大切にしてくれているお父さんは、どこか他人にすら感じてしまう時があった。
愛情は痛いくらいにもらってる。でも、お父さんの義務感みたいなものは、違和感を覚えてしまうほどの大切にしすぎてしまう行動に現れてしまっていたんだと思う。
それに、これはあくまで私の考えだけど。
陣之内誠一郎、旦那様の話を聞いていたとき、お母さんがお父さんに慰めてもらったとはいえ、子どもが出来る時期が早すぎているような考えが浮かんでいた。
でも、私のお父さんが、お父さん…宮内陽介ではないなら簡単に説明がつく。
お母さんが、好きな人との間に出来た子どもの私を産みたいと思ってもきっと、陣之内総一郎は許さなかっただろう。
ならば、お父さんが自分の子と偽ってしまえばいいと、お父さんの方から持ちかけたとしたら…。