私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
って、さっきから話が進まない…。
「…私、永塚季龍さんのこと、好きになっちゃったんだ」
「そうか。…琴葉は、どうしたい?」
「ッ怒らないの?」
「ん?何を怒ることがあるんだ?」
約束、破ったのに怒らないの?
お父さんは何を言われてるのか分からないと言わんばかりの顔だ。
「だって、私にご主人様を好きになっちゃったんだよ?…お父さん、私が陣之内家に仕える前にご主人様を好きになっちゃダメだって…」
「あれは仕事だったからだよ。それに、大旦那様がそんな関係許すはずがないと踏んでいたからね」
…その大旦那様が結婚を強要してきたなんて、言えない。
苦笑いしていると、お父さんは微笑んで私を見つめる。
「琴葉、私は反対しないよ。…例えそれが、永遠の別れに繋がるとしてもね」
「…」
言いたかったことの答えを先に言われ、息をつまらせる。