私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「ッチ…鬱陶しい」

「…季龍さん?」

「あ?」

少し不機嫌そうな声。顔はよく見えないけど、抱き締められてることにドキドキして、さっきとは全然違う意味で緊張してる。

…でも、離れたくないなぁ。

季龍さんの背中に腕を回すと、ビクッとされて思わず離してしまった。

「っあ…ごめん、なさい」

「…謝んな」

更に抱き寄せられる。

季龍さんの息が耳元にかかって、顔が熱くなる。

「甘えたいんだろ?」

耳元で呟かれた言葉にドキッとしてしまう。

本心を見透かされているみたいで、恥ずかしさでどうにかなっちゃうよ…。

季龍さんに顔を見られたくなくて、肩に額をつけると、フッと笑われたような気配がした。

「…びっくりしたじゃないですか」

「お前が慣れねぇことしてくるからだろ」

私のせいにされた…。ならいいもん、私だって好き勝手するもん…。
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