私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「うるさいのが戻ってきた」

麻夏くんがぼやく。それに苦笑いしていると、片腕を引き上げられて立ち上がる。

季龍さんに引っ張られるまま、その場から早足に立ち去る。

海から戻ってきた人たちが私たちに気づいた様子はないまま、彼らの視界から外れた。

「季龍さん?」

返事はない。ようやく足が止まったのは露天風呂の前。着替えも何も持ってきてないのに。

季龍さんも同じだった。じゃあなんでここ?

「季龍さん、着替え持ってないです」

「は?…そういう意味じゃねぇよ」

呆れた顔をした季龍さんだけど、不意に口角を上げる。

「それとも、誘ってんのか?」

「そんなわけっ!!」

「大声出すな。人が来るだろ」

口を塞がれたまま、じとっとした目を季龍さんに向ける。

季龍さんが変なこと言うから…。私のせいじゃない……。
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