医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
いつもスーツの姿がきまっていて、私には到底真似できない“デキる女”のオーラが漂っている雪音ちゃん。
綺麗に巻かれたセミロングの髪や、バッチリなメイクを目の前にすると、急に自分が物凄くヨレヨレな気がしてきてしまった。
「明け?」
「あ、うん。今から帰るところ」
「それはそれは、お疲れ様です」
「雪音ちゃんも、今日は早くない?」
「あー、うん、ちょっと呼び付けられてさ……」
にこりと笑ってそう言った雪音ちゃんは、何か思い出したように続けて「あっ、そうだ」と言う。
「芽衣子ちゃん、小児科じゃん。新しい先生、どう?」
「新しい……天笠先生のこと?」
「そうそう。伺わなくちゃなーと思ってて」
「どうって言われると……私もまだよくわからないというか、そんなに絡まないし」
天笠先生がうちに来て、はやくも一週間が経とうとしている。
師長に先生のお世話係的なものに任命されたものの、特にこれといって変わりはない。
ただ、相変わらず子どもたちには怖がられていて、やりにくい状況にはよく遭遇している。