医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「全く笑わないから、小児科のドクター向いてないでしょって感じ」
「小児救命にいたんだってね。関西支部から、色々情報はもらってるんだけど……かなり優秀なドクターみたいだね。若いのに、救命救急センターの第一線でやってたみたいだし。ピリピリした現場にいたら、笑えなくもなるかもね」
第一線……。
そうなんだ、知らなかった。
「あ、あと、未婚のイケメンって情報なんだけど、そんな感じ?」
「未婚か既婚かは知らないけど、イケメン、なのは確かかな……」
「なるほどなるほど。とりあえず、ご挨拶には伺わないと。じゃあ、なんか耳寄りな情報あったらまた知らせるからね!」
耳寄りって……なんて思いながら、去っていく雪音ちゃんを見送る。
再び一人になって、ふと天笠先生のことを頭に浮かべてみていた。
看護師としてまだ日も浅いし、救命救急なんて今まで全く縁がない。
だから、現場の壮絶さや過酷さも想像の範囲を超えない。
きっと、患者さんが亡くなるところだって日常的に目の当たりにしているはずだ。
もし自分が、看てきた患者さんの死を目の当たりにする日がきたら……。
それを考えたら物凄く怖くなっていた。