医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「あ……はい」

「娘さんの病状を悪化させますので、禁煙されることをおすすめします。お父様自身の身体にも良くない。周りの家族にも悪影響を及ぼします」


そう厳しい口調で言われたお父様は、何も言い返せるはずもなく、ただ「はい……」と小さく頷いていた。

天笠先生は「今は禁煙治療も保険適応で受けやすいです」と話を続ける。

うちの循環器科で禁煙外来があることを案内すると、再びご両親に廊下の待合で待ってもらうよう話を締めくくった。


「帰宅の対応で構わないと思う。今晩だけ、ここで経過を見させてもらうことになった」

「そうですか、わかりました」


時刻は深夜0時を回ろうとしている。

この時間だから、今晩はここで安静を保つという形だ。

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