医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「そ、そうなんだ」
「うん。想像通りのエリートドクターって感じだったわ。で、噂通りのイケメーン!」
もう酔ってるの?というテンションで雪音ちゃんは片手のジョッキを口に運ぶ。
カウンター越しに焼き鳥の注文を終えたひまちゃんが、「それって、もしかして……」と話に乗ってきた。
「アジフライ先生のこと?」
「あ、アジフライ先生?」
そういや、この間事故的に一緒にお昼を食べる羽目になった時、確か天笠先生はアジフライ定食を食べていた。
そのこと?
「そうそう。食堂来るとね、私の知る限りではアジフライ注文してるから、私の中ではアジフライ先生なのよ」
「えー! アジフライ好きなのかな、魚派?」
雪音ちゃんはアジフライにやたら盛り上がる。
「でも、スラッとしてて白衣が似合って、イケメンで。そんなドクターうちの病院じゃいないじゃん。あ、脳外の市來(いちき)先生がいるか」
ひまちゃんがそう言うと、雪音ちゃんが「あぁ、あの人ね……」と微妙な反応を見せた。
「でもさ、芽衣子ちゃんが言ってたみたいにそんなに愛想悪い感じじゃなくない? 挨拶に行った時、別に普通に話せたし」