医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
そう言った雪音ちゃんは「てっきりピリピリしてる先生かと勘違いだよ」と言う。
私の話を聞いていたから、そのつもりで身構えて行ったのだろう。
「まぁ、最近は子どもにも接し方考えてくれるようにはなったけど……」
そんなことを話しながら、さっき看護記録を残しながら天笠先生から受けたお誘いを思い出していた。
途端に気持ちがそわそわと落ち着かなくなる。
どういうつもりで、天笠先生はいきなりあんな誘いを私にしてきたのだろう?
いや、どういうも何も、ただ単に引っ越してきたばかりでこの辺りのことを教えてほしいと言われただけであって、特別に深い意味なんてないはず。
師長直々に先生の“世話係”的なものにも任命されちゃったわけだし、なんだかんだ私が一番天笠先生と関わりがあるんだもんね。
だから、変に意識する方がおかしい話。
天笠先生だって、私なら頼みやすいからって思ったからに違いない。
湧き起こった緊張に蓋をして落ち着きを取り戻す。
出てきたつくねの串に豪快にかぶりついた。