医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛



二人との飲みを終えて一人暮らしのアパートに帰って来たのは、二十一時過ぎだった。

あのあと、雪音ちゃんはうちの病院の脳外の市來先生にいきなり呼び出しをくらい、そそくさとお店をあとにした。

しばらくひまちゃんと飲んでいたけれど、ひまちゃんはひまちゃんで一緒に住んでる猫の具合が最近あまり良くないとかで、やっぱり先に帰ってしまった。

一人で飲み続けるのも寂しいし、帰ってゆっくりしようと最後に席を立ち上がった。


「帰ってきたー……」


独り言を呟いてベッドにどかっと腰を下ろす。

しばらくぼうっとしていたものの、突然明日の天笠先生との約束が頭を埋め尽くし、またそわそわと落ち着かない気分が押し寄せた。

おもむろに腰を上げ、クローゼットの扉を開く。

やばい……明日、何着て行こう?!

片っ端から着ていけそうな服を取り出す。

最近は病院と家の往復で、デニムにパーカーとか、ラフな格好ばかりしている。

どうせ白衣に着替えるし、なんていつも適当なもんだ。

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