医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


天笠先生の放ついつもと違う雰囲気に、盛り上がっていた子どもたちからも明るさが奪われる。

かろうじてダメージをあまり受けなかった高学年男子から「どうしたんですか、怖い顔して」と声が上がった。


「これはなんだ」


でも、天笠先生に取りつく島はない。

掴み取ってきた散剤を航くんに見せて、じっと質問の答えを待っている。


「天笠先生!」


緊迫した空気がとても小児病棟で起こるものとは思えなくて、航くんを思って自然と止めに入るように声が漏れていた。

それでも横から見上げた天笠先生は、容赦なくじっと航くんの顔を見据えている。


「病気を治すために、ここにいるんじゃないのか?」

「天笠先生、あの、もう……」

「こうして出された薬も飲まずに誤魔化すことは、元気になってほしいと願っている君のお父さんとお母さんを、裏切るということだぞ」

< 92 / 130 >

この作品をシェア

pagetop