医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
天笠先生の放ついつもと違う雰囲気に、盛り上がっていた子どもたちからも明るさが奪われる。
かろうじてダメージをあまり受けなかった高学年男子から「どうしたんですか、怖い顔して」と声が上がった。
「これはなんだ」
でも、天笠先生に取りつく島はない。
掴み取ってきた散剤を航くんに見せて、じっと質問の答えを待っている。
「天笠先生!」
緊迫した空気がとても小児病棟で起こるものとは思えなくて、航くんを思って自然と止めに入るように声が漏れていた。
それでも横から見上げた天笠先生は、容赦なくじっと航くんの顔を見据えている。
「病気を治すために、ここにいるんじゃないのか?」
「天笠先生、あの、もう……」
「こうして出された薬も飲まずに誤魔化すことは、元気になってほしいと願っている君のお父さんとお母さんを、裏切るということだぞ」