セカンド・ファミリー(新バージョン)

だって冷蔵庫を開けて
食べ物を食べ散らかす杏梨ちゃんが居たからだ。

杏梨ちゃんは、私の存在を気にする事もなく
ひたすら食べ物に夢中になっていた。

ただお腹空いていたとかの雰囲気ではない。

生野菜からソーセージ。
とにかく食べられそうな物を口につけている。
まるで野良猫や野良犬が空腹でごみ袋を
漁っているような異常な光景だった。

どう見ても普通の状態ではない。 
テレビで観る人気子役とは、ほど遠かった。

「あ、杏梨ちゃん……?」

恐る恐る名前を呼んでみる。しかし
私の声は、届いていないのか無視して新たに
キャベツを引き千切り食べ出した。

ど、どうしよう。
やめさせなくちゃあ。

しかし身体が驚いたせいで硬直して動けない。

その時だった。
ガチャッとドアが開き電気がついた。

「杏梨!!?」

奥さんと和也さん。
そして旦那さんが駆け寄ってきた。

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