セカンド・ファミリー(新バージョン)

「あの……」

私は、必死に声を出そうとする。

そうしたら和也さんが慌てて
杏梨ちゃんを力ずくでやめさせた。

「杏梨。落ち着け!?
やめるんだ。それは、食べたらダメだ」

「うぅっ……」

杏梨ちゃんは、抵抗してまで食べようとしていた。
まるで食べ物に取り憑かれているように。

どうしちゃったの?

奥さんは、私に近づき

「春花。驚いたでしょ?大丈夫だから」

気遣うように言ってくれたが。
しかし状況が分からない私は、ただ困惑していた。

旦那さんも止めるのを手伝っていたら
杏梨ちゃんの動きがピタッと止んだ。

「うっぷ……気持ちが悪い……」

今度は、顔色が真っ青になっていく。

杏梨ちゃん!?

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