セカンド・ファミリー(新バージョン)

「あの、私も手伝います!」

慌てて拾うのを手伝った。

「あら、ありがとう」

奥さんは、ニコッと笑ってくれる。
私は、その笑顔を見たら何も言えなかった。

何だかそれ以上踏み込んでいいものなのか
迷ったからだ。

聞くのが怖かった……。

結局、何も聞けないまま片付けて
部屋に戻った。

まるで悪夢でも見てるような感覚だ。

余計に目が覚めてしまった。
混乱している頭を落ち着かせるため
私は、ベランダに出た。

冷たい風が少し冷静にさせてくれる。

しばらくそこに居ると
ガチャッと隣のドアが開く音が聞こえてきた。

この隣は、確か和也さんの部屋だったはず。

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