セカンド・ファミリー(新バージョン)
「……春花。俺はね。
逃げることは、悪いことではないと思っている。
それも一理の考えだと思う……だが時に逃げずに
きちんと立ち向かうことも必要だ。
前に進むためにも……」
「和也は、今がその時だ。
あの子は、ずっとそれに苦しみ心の奥底に
隠してきた。いいチャンスなんだ。
彼のトラウマを乗り越えるためにも」
そう話す旦那さん。
トラウマを乗り越えるため……?
「でも奥さ……お義母さんは、逃げる事も大事だって
自分を壊さないためにもって」
「あぁ、心を壊すぐらいなら逃げた方がいい。
でもね。社会に出たら逃げてばかりいたら
生きてはいけない。
立ち上がる強さも必要になるんだよ!」
分からない。子供の私には、
その言葉にどう返事をしたらいいか分からなかった。
しばらく経つと和也さんと杏梨ちゃんが
帰って来た。
旦那さんは、和也さんにお父様のことを話した。
もちろん彼は、激怒する。
「何だよ!?それ。
一度もまともに会いにも来てくれず
連絡すらくれなかったくせに
今さらお金を貸して欲しいとか有りえないだろ!?」
「和也。落ち着け」
「これが、落ち着いていられるかよ!!
俺は、金を貸すなんて反対だ。あの人に……俺は、
苦しめられた。今だって……」
拳を握り締める和也さん。