ダメ。俺のそばにいて。





そんなことを話している内に、私達に気づいたクラスの人がワーッと駆け寄ってくる。




「え、有村さん!?可愛い!」



「似合うねー!」



なんて口々に言われて思わず照れてしまう。




本当に、多分生まれてから今日が1番可愛いって言われた!




非日常ばんざい!



取り巻きガールズが近寄ってくる気配がしたから、即難波くんから離れたけどね!




視線が怖いんだもん!




ちょっと不満そうな顔されたけど、許してほしい!





「茉優は元々赤ずきん似合うって思ってたよ〜!」



八重歯を覗かして笑った茉優に、私も微笑み返す。




あんなに不安だった赤ずきんがこんなに満更じゃないなんて、単純すぎかなあ。



それでも嬉しさを隠さないでいると、真音の茉優を呼ぶ声が聞こえる。



「じゃあ行ってくるね!茉優も星玲奈に負けないくらいおしゃれしてくる!」



「うん、いってらっしゃい。」



茉優は元々の素材で圧勝だけどね、なんて心の片隅で思いつつ、笑顔で見送った。





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