学校一の人気者に告白されました
「どした?誰か千衣になんかした?」



他のメンバーは何とも言えない顔をして黙っている。



あたしにバラした当事者さえも、知らんぷりだ。



「なんだよー、つまんない?千衣が帰るなら俺も帰るけど」



「つまんないとかじゃない」



さっき聞いたことで文句を言いたいけど、なんだか言えない。



妬いてるってわかったら、陽向くんは喜ぶだけ。



まさかわざと妬かせるために、ここに連れて来たんじゃないよね?



「おーい、誰だよ千衣の機嫌損ねたの。こいつ滅多なことじゃ怒んないぞ?」



陽向くんが犯人探しをするけど、真の原因は陽向くんだからね?



するとひとりの男の子がフェンスの方を指さした。



「ガヤがうるさいって」



「あー、なるほど。妬いてんのか、千衣っ」



ほらっ、嬉しそう!



こんなの陽向くんの思うツボだ。



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