学校一の人気者に告白されました
「きっと、陽向くんにって思って持って来てる…」



「大丈夫だろ。彼女いるから俺はダメだぞーってちゃんと言ったから」



「えっ…そうなの?」



さっきはそんなこと誰も言ってなかった。



「そ。ほら早くいいとこ見せて来いよ!あの中に、タイプの子がいるっつってたじゃん」



後ろに立っているヒョロっとした男の子を見て、陽向くんがオーバーに手を振っている。



「おし!やるぞ」



男の子はベンチの前に出ると、バットを片手に素振りを始めた。



「あいつさー、めっちゃいいヤツなのに彼女いなくて。協力したいじゃん?」



「そっ…そういうことなら」



ってあたし、丸め込まれてない?



陽向くんが人当たりいいのは今に始まった話じゃない。



それを生かして、友達のためにっていうなら仕方ないのかな。



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