俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
着てみると、予想通りダボダボだった。
三回ぐらい裾を折り曲げて何とか手足が出る。
なのに、すっごく幸せ〜。
だって黒崎君の服だよ。
こんな機会もうないかもしれない。
お持ち帰りしたいくらいだ。
ドライヤーで髪を乾かし、歯磨きをすませる。
リビングに戻ると、黒崎君がノートパソコンを広げて仕事をしていた。
私のような事務員は会社で仕事が完結するけど、彼は違うんだね。
家に帰っても仕事。
営業の仕事以外にも、会社の経営にも関わっていて社長をサポートしているのだろう。
いつ息抜きするのかな?
キッチンへ行き、勝手ながら棚を物色してコーヒーを淹れると、リビングのテーブルにコツンと置いた。
「コーヒー、どうぞ」
「ああ。悪い。適当にテレビでも観てて」
彼にリモコンを渡され、ソファに座ってニュース番組をチェック。
雪による影響で高速道路が一時閉鎖されたとか、電車が運休したとか、そんな話題ばかり。
私が乗る電車もまだ運休しているし、時刻は午後十時を過ぎている。
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