俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
多分、自分の人生に退屈していたんだと思う。
親から受け継いだ遺伝子が良かったのか、学業もスポーツもたいして努力せずに出来た。
トップが当たり前で、何の喜びもない。
暇つぶし程度に思っていたのだが、彼女はやってのける。
俺を捕まえて勉強したせいもあるのだが、中の下だった彼女の成績は面白いくらいに伸び続けた。
自分の成績よりもまず桜井の成績をチェックするのが密かな楽しみに。
驚いたのは、彼女が俺と同じ大学を受験すると言い出した時だ。
あれは、高一の冬。
本人に何度も『無謀な挑戦』と伝えたが、諦めずに俺に勉強を教えろと言ってくる。
毎日十時間を超える勉強。
相当苦労しただろう。
俺だってそんな長時間勉強なんてしたことない。
だが、桜井は周囲や俺の予想を覆し、見事俺と同じ大学に合格した。
驚きと喜び。
何事にも動じない俺があんなに感動したのは初めてだった。
桜井の要求通りデートに応じたが、まあ仕方ない。
< 24 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop