俺の嫁になれ～一途な御曹司の強すぎる独占愛～

彼がにこやかに誘い、彼女は明るい笑顔で応じる。
『うん、いいよ。今週はイチゴのデザートつくんだよ。楽しみ』
そんな場面を見る度、なぜか胸がざわめいて落ち着かない。
明らかに後藤は桜井狙いというのが側で見ていてわかるが、彼女は気づかない。
変わらず俺のことを好きだと毎日のように伝えてくる。
なぜこんな無愛想の俺のことをそんなに好きでいられるのか。
だが、彼女のその一途な気持ちで、荒れていた心が不思議と穏やかになる。
「変なやつ」
フッと微笑すると、彼女を抱き上げて、自分の寝室に運んだ。
ベッドに寝かせると、「……黒崎君、好き」と寝言を言って桜井は寝返りを打つ。
その姿を見てドキッとした。
過去に色仕掛けで誘って来た女はたくさんいたが、彼女は女の武器は使わない。
あどけないその寝顔は、まるで天使そのもの。
俺の部屋着だって彼女にはぶかぶかなのに、それが逆にセクシーに思えてしまう。
綺麗なピンクに色づいたその唇。