俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
「今まで散々桜井さんに冷たくしてたのに何言ってんだか?勝手過ぎるだろ!」
俺に殴りかかりそうな勢いで、後藤は怒りをぶつけてくる。
「何て言われようが構わない。だが、桜井は譲れない。こいつが好きなんだ」
後藤の怒りを正面から受け止め、自分の彼女への思いを口にした。
すると、桜井が「……黒崎君、大好き」と言って俺に抱きつく。
多分、寝言だろう。彼女は目を開けない。
それを見た後藤が悔しそうに顔を歪めた。
「……大事にするって誓えますか?」
こいつはカッと目を見開いて俺を見ると、そう確認してくる。
「ああ」
後藤の目を見てゆっくりと頷いた。
「桜井さんを泣かしたら、俺が遠慮なくかっさらいますからね!」
捨て台詞を吐いて彼は歩き去る。
その後ろ姿を見送ると、タクシーを呼んで桜井をうちに連れ帰った。
タクシーの中でずっと彼女は寝ていたからだ。
玄関まで桜井の身体を支えて家に入る。
「桜井、靴脱いで」
酔っ払ってボーッとしている桜井に声をかけた。
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