俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
首をブンブンと横に振るも、彼の激情は収まらなかった。
「お前、ムカつく。俺が戻らなかったら、後藤に襲われてたぞ!」
「ははっ、まさか。後藤君みたいなイケメンが私を襲うなんてあり得ないよ」
乾いた笑いを浮かべながら否定する。
「だったら、この状況はどう説明する?」
意地悪な顔でそう言うと、黒崎君は顔を近づけて私の唇を奪う。
一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。
彼の顔がすぐ近くにある。
私……キスされてる?
え?どうして?
黒崎君には大塚さんがいるじゃない。
私をからかってるの?
好きな人とのキスなのに、全然喜べなかった。
じわじわと涙が目から溢れてくる。
思い切り彼の胸を押してキスを止めさせると、キッと睨みつけた。
「なんでキスなんかするの?黒崎君には婚約者がいるじゃない!」
泣きじゃくりながら彼を責める。
こんなの酷すぎるよ。
「こっちは黒崎君のこと忘れようと必死なのに……なんで私に構うの!」
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