俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
気づけば、彼のご両親に歓待され、夕飯をご馳走になっている。
「直人と婚約だなんて嬉しいわ。この子、無愛想だし、女の子に冷たいから一生独身かと思ってたのよ」
ふふっと柔らかな笑みを浮かべる彼のお母さま。
「高校時代から一緒だったって?そう言えば面白い子がいるって直人が昔言ってたな。あれは優衣さんのことだったか」
社長である彼のお父さまも、目を細めて喜ぶ。
「すごい頑張り屋で、大学も就職先も俺を追って来たんですよ」
黒崎君が私の手を握り、お父さまに説明する。
その言葉に、これまでのことが走馬灯のように頭に浮かんできて、目頭が熱くなった。
ああ……私、本当に彼と婚約したんだ。
急に実感が湧いてきて、感極まって泣いてしまった。
すると、黒崎君が私を優しく胸に抱き寄せ、涙を拭う。
「大事にしなさい」
お父さまの言葉に彼はゆっくりと頷く。
「ええ。わかってます」
それから黒崎邸を後にすると、彼のマンションに戻った。
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