生意気オオカミの虜

泉沢 凛。

只今、絶賛不機嫌中につき接近注意。



「 たく、羽奈の奴…… 」

「 泉沢ー!おーっす!」



完全無視でいる凛。



「 おい、竹藤やめろ、今は近づかない方がいい 」

「 そんなのいつもだろ、泉沢は 」



凛をよく知っている友達の竹藤 由哉(ヨシヤ)。

彼は高校合格した時に隣で喜びもしない凛によろしくと勝手に握手し、以来凛のそばにいる。


凛を教室から連れ出し廊下に出た。



「 どうした、すっげー顔が怖いぞ 」

「 別に… 俺の女が素直じゃなくてムカつくだけだ 」

「 俺の女!? ちょっ、おい、お前いつのまに… 」



初耳の竹藤に続き、聞き耳立てる女子やそばにいる男子たち。



「 彼女出来たんなら言えよ!」

「 言うかよ、俺のなんだから 」

「 物かよ… どんな感じ? この学校か?他校か?」

「 年上。なんであんなに素直じゃないんだよ… 」



竹藤と話していた会話があっという間に広まるには時間はかからず、凛を密かに思う女子が真意を探ろうとする。

そして昼休みには凛は竹藤と共に屋上に呼び出されていた。



「 なんで俺がっ 」

「 泉沢が目的なんだから仕方ないだろ 」

「 断れよ!」

「 女は怖い生き物なんだよ!」



無理矢理に連れていかれる凛の前に四人の女子が待っていた。


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