副社長と恋のような恋を
「今月、誕生日が」

「誕生日近いんですか。何日?」

「七日」

「あと、四日後!」

 私が驚いて言うと、副社長は格好悪いなと言って、口を手で覆った。

「なんだか、催促したみたいになった。ごめん」

「いえ。でも、七日はお祝いしましょう」

「歳が増えたからって、喜ぶ年齢でもないし」

「いいじゃないですか。大袈裟にしたくないのなら、明人さんのマンションでなにか作ろうか?」

 そう言うと顔を上げて、こっちをじっと見つめてきた。

「うちに来てくれるの?」

「はい。どうかした? 明人さんのマンションならよく行っていますよね」

「いや、最近、麻衣に避けられているような気がしてたから」

 やっぱりそう思われているよね、事実だし。

「別に避けているわけではないです。ごめんなさい、心配かけちゃって」

「なんでもないなら、それでいいよ」と言って、副社長は少しほっとした顔をした。

 食事を終えると、副社長が渡したいものがあるからマンションに寄ってほしいと言った。

 マンションにつくと、副社長は一目散に寝室へ向かった。寝室から出てくると、副社長はソファに座る私の隣に腰を下ろした。

「ごめん、明日も仕事なのに。帰り車で送るから」

「あの、渡したいものって?」
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