副社長と恋のような恋を
村田先輩は少し嬉しそうに、そして少し悔しそうに言った。
「酒井ちゃんもライターやっているだけあって、言葉からアイディアを生み出す力、持ってるね。私は、視覚的なものから視覚的なアイディアを生み出すから。ハートからハートをデザインするタイプ。酒井ちゃんみたいな発想がある人って羨ましい」
「私はハートからハートを生み出せる人ってすごいと思います。だってハートを見てオリジナルのハートができるって、私にはあり得ないから」
私がそう言うと、村田先輩は酒井ちゃんに褒められて嬉しいと言って笑った。
美味しそうにかつ丼を頬張る村田先輩を見ていると、高校のころと変わらないなと思う。美術室でおにぎりを頬張る姿を思い出した。あのころはよく先輩に恋愛相談に乗ってもらっていた。高校時代のことを思い出し、あることに気が付いた。先輩の恋の悩みを聞いたことがない。
学生なら恋愛より部活という人もいるけれど、今はどうなんだろう。付き合っている人はいるのだろうか。そうすると山岸さんはどうなるのだろうか。
「あの、村田先輩は付き合っている人、いるんですか?」
「うん、いるよ」
「そうなんですか。社内の人ですか?」
「うん。半年くらい前から付き合ってる」
「酒井ちゃんもライターやっているだけあって、言葉からアイディアを生み出す力、持ってるね。私は、視覚的なものから視覚的なアイディアを生み出すから。ハートからハートをデザインするタイプ。酒井ちゃんみたいな発想がある人って羨ましい」
「私はハートからハートを生み出せる人ってすごいと思います。だってハートを見てオリジナルのハートができるって、私にはあり得ないから」
私がそう言うと、村田先輩は酒井ちゃんに褒められて嬉しいと言って笑った。
美味しそうにかつ丼を頬張る村田先輩を見ていると、高校のころと変わらないなと思う。美術室でおにぎりを頬張る姿を思い出した。あのころはよく先輩に恋愛相談に乗ってもらっていた。高校時代のことを思い出し、あることに気が付いた。先輩の恋の悩みを聞いたことがない。
学生なら恋愛より部活という人もいるけれど、今はどうなんだろう。付き合っている人はいるのだろうか。そうすると山岸さんはどうなるのだろうか。
「あの、村田先輩は付き合っている人、いるんですか?」
「うん、いるよ」
「そうなんですか。社内の人ですか?」
「うん。半年くらい前から付き合ってる」