絶対に守るから。
ただいてくれるだけで助けられている人の存在を知らないんだ。だからこの城にいても誰も助けられない、誰も守れないなんて言葉が出てくる。城に来る前、彼女がどれだけの人を助けてきたのかは分からない。でも、城に来ても誰も助けられないなんて絶望してほしくないんだ。

「俺、姫様のお姿を一度見るだけで1年は頑張れます。元気なお姿を見られれば良かったって自然と幸せな気持ちになれますし、お風邪を引かれれば恩返しが出来るのだと嬉しいのです。きっと姫様に仕えている者たち全てがそう思っております」

上部だけ並べた慰めの言葉なんて思われてしまっただろうか。信じられないのは辛いけれど、信じられないのなら今は良い。信じられるまでは信じられなくても良い。今立ち上がる勇気を彼女に与えられれば何でも構わないんだ。俺が後で嫌われても、遠ざけられたとしても。それは俺が彼女にとってそこまでの人間だったって事。俺が招いた事だ。
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