絶対に守るから。
どうせ叶わないのなら、どうせ嫌われてしまうのなら。俺に不利な運命しか待ち受けていないのなら、俺は今目の前で流されている彼女の涙と震えを何としてでも止めたい。俺の役目じゃないとしても、今彼女のそばにいるのは俺だから。他の誰でもない、俺自身なのだから。

「ミオラス、もしかして最近働きづめだった?」

「・・・あっ!申し訳ありませんっ!!」

何で彼女が俺の勤務を知っているんだろう。いや、仕えている者だから知っていても不思議ではないんだろうけど。でも、一番口の軽い先輩にはよく言い聞かせておいたんだけどな。彼女に心配かけてしまうから長期休暇を取るんだって。
違う、思い出した。俺、城に着いてから風呂に入っていなかったんだ。任務から帰ってきたら皆が彼女の居場所を探していたから真っ直ぐここに来たんだった。
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