絶対に守るから。
何もかも忘れて、時間も止めて。ヘゥインの事しか考えずに笑っていたい。城に住む前みたいに、幸せな生活に帰りたい。ヘゥインとの壁があった城の生活に戻りたくない。

「ねぇ、カーレイジ。生きて帰れたら何したい?」

「ヘゥインと一緒に家に帰りたい」

「・・・分かった。生きて城に帰れたら一緒に家に帰ろう」

生きて帰れたら。俺たちの内の誰かが死んでしまうかもしれないんだ。生きて帰る可能性も、死んで置いていかれる可能性も両方あり得るんだ。
俺にとって家は城じゃない。ヘゥインと出会って弟と離れたあの家なんだ。城にはもう帰りたくない。ヘゥインと一緒に俺たちの家に帰りたい。
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