絶対に守るから。
ずっと我慢してきたんだ。愛しているという理由だけで肩を貸す。許させる行為だと思うがな。ずっと誰かの上に立ち、冷たい目をしていた二人が愛し合える日が来る。今日一日くらい、構わないだろう。だって城の外に出ればお嬢さんとハウラムは離れて暮らさなければならなくなるのだから。

「ヘゥイン、俺は今の城で果たさなければいけない約束がある。ただ、約束を果たせばどう転がるにしろ、お前には触れられなくなる」

「分かってる。きっと果たせるよ」

何の話をしているのかは知らないが、お嬢さんの背中が行かせたくないと思っていると俺に伝えていた。お嬢さんはハウラムの果たしたいという約束を果たさせたくないと、果たせないように邪魔をしたいと願っていた。なのになぜ、お嬢さんは正直に果たすなと引き止めないんだ。
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