絶対に守るから。
国王は自分の家族を滅茶苦茶にした彼女への復讐を断念し、彼女を殺したも同然である犯人を恨んだという事なのかもしれないな。でも、悪い。正直、現国王の事はもうどうでも良い。現国王が正気を失って誰を殺しても構わない。目的が違ったとしても、俺たちだって彼女に目を覚ましてほしいのは同じなんだ。言い方がひどいかもしれないが、他人に構っている暇は無いんだよ。

「私もいつまでもそばで食い止める事は出来ない。あんたたち、犯人か目の覚まさせ方か知らないの?」

「やめてくれ」

知っていればやっているんだって。最後に残された方法も、おとぎ話に出てくるような現実味のない方法なんだ。目を覚まさない確率の方が高くて出来ないんだよ。瞑られた目は愛で目覚めるなんて誰がどうするのが正解なのか分からないだろ。
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