絶対に守るから。
魔女には稀に、生まれがらに魔力と特殊能力を持つ者がいる。ウィルは稀の方で獣と会話が出来る能力を持って生まれてきた。獣と会話出来る能力のおかげで森の獣たちとは信頼関係もある。能力を活かして村の人たちの送り迎えを獣たちに手伝ってもらうのだろう。確かに能力を活かした方法なら屋敷にも早く着くし、村の人たちが疲れて眠ってしまう事も無いだろう。

「お願いね」

「おう!」

料理や飾り付けなどの準備もほとんど終わり、後はお嬢さん一人でも問題はないだろう。俺たちはお嬢さんを屋敷に残し、獣たちと共に村へと下りていった。正直、村の人たちの迎えはウィルに任せて俺はお嬢さんと残りたかった。二人きりになれる良い機会だとも思ったが、今までしてきた事が事だ。少なくなったけれど、完全に無くなった訳じゃない。本当の理由は一人の時に襲われないか心配だったからだ。
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