絶対に守るから。

それは違うだろ

行け、お前が一番優先しなけりゃいけないのはヘゥインの護衛だろ。本当はエレナードの背中を押してやりたかった。でも、エレナードの気持ちにもう少し早く気付くべきだったんだ。背中を押そうとした頃にはもう家に着いていた。
客の案内はエレナードに任せて、俺は獣たちに飯を食わせて森へ帰した。いつも助けてもらった後はお礼を兼ねて飯を食わせるんだ。人として人と暮らしている俺たちには出来る事が限られているから。
本当は今日の話を断りたかったんだ。俺は元々反対だったんだ。村の人たちは俺たちの事を良く思っていなかったし、今回の機会に嫌がらせをしてくるかもしれない。もし本当にしてきたら俺はヘゥインを守れるだろうか。
自信がないんだ。世界に存在したばかりで人との関わり方なんて今一分かっていない。右も左も分からない中でどうやってヘゥインを守れば良い。エレナードにはある自信が俺も欲しいぜ。
< 251 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop