絶対に守るから。
ほら、今だってベッドに腰掛ける事さえ出来ていないじゃないか。執事のリオディナとかっていうエルフに支えられているんじゃないか。今日の舞踏会ってそんなに無理をしてでも出なきゃいけないのか。座る事さえままならない状況でも出なきゃいけない大切な舞踏会なのか。

「止めはしないがなぜ行きたがる?他の舞踏会とは何が違う?」

「・・・吸血鬼の町にいる貴族が来るから」

ゴブリンのおじさんの質問に彼女はなかなか返答してくれなかった。口を動かすのもままならないのだろうか。もしそうならもう休んでも構わないだろう。無理する理由なんて無いんだから。無理に出席したって途中で倒れるだけだ。
暫くしてから口にした彼女の言葉に周りはきょとんとした表情をしていた。だからどうしたんだと聞き返しそうな反応だった。でも、俺と彼女の出会いを知らないから疑問を持つんだ。
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