絶対に守るから。

「ロクッツ・・・だよ・・・？」

「ロクッツか。・・・ロクッツのお父さんは死刑対象でね。ロクッツのお父さんの国では死刑対象の者が死刑執行以外の理由で亡くなった時、その者の親族が死刑を引き継ぐ事になっている。つまり・・・、ロクッツを殺そうと探している訳だ。でも、ロクッツのお父さんは本当は死刑対象になる事は何もしていない。となると、息子であるロクッツが殺されるのはおかしい話。だから、ロクッツは絶対に見つからない所で生きていかなければならない」

俺の言葉に確信を抱いたかのように頷くと、彼女はどうして男たちが弟を探していたのか説明してくれた。弟がどこにいるべきなのかも。よく分からないけれど真剣な彼女の瞳があってはいけない事なのだと教えてくれた。