絶対に守るから。
見付からないような場所で暮らしていかなければいけないっていう事も、死刑から外れるには仕方ないのかなって思えた。でも、この後の言葉が当時の俺には理解できなかったんだ。

「でも、ロクッツが見付からないためにはあなたと一緒にいてはいけない。あの男たちはロクッツを見付けるためにまずあなたを見付け出して居場所を聞こうとする。だから、あなたもロクッツとはここでお別れして」

母親が亡くなってすぐだったから、余計信じたくなかったんだと思う。父親は違えど、同じ母親から生まれた家族。家族を一度に二人も失ってしまう事が嫌で彼女が男たちの味方なんじゃないかとまで思えてしまった。けれど、俺たち二人を助けてくれたのも、弟がちゃんと生きていられるようにしようとしてくれているのも事実で俺はどうして良いのか分からなくなってしまった。
< 35 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop