絶対に守るから。
ハウラムの声を聞き付けて、部屋の外は騒がしくなり始めた。部屋の中の沈黙でハウラムの怒りは収まったけれど、まさか俺の事を心配してヘゥインを怒るなんて思いもしなかった。
何でハウラムはヘゥインの風邪ではなく、俺が傷付く事を気にしたのだろう。別にハウラムとは仲が良い訳じゃない。まぁ、後輩であるミオラスとは歳も近いし仲が良い方だとは思うけれどそれだけで俺を気にかけるような人でもない。後輩と仲が良いからとか、人と人の関係を気にしていたら戦闘の時に支障が出るから腕の良い兵士はほとんど自分以外に関心を持たないらしい。ハウラムは城の中で常に上にいるような凄腕の持ち主だ。だから、後輩のために行動するなんて事はないはず。

「で、どうするんだ。それでもお前は行くのか」

彼女はきっと行くと言う。俺の知っている彼女なら、どんな手を使われても自分の思いを貫く。
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