絶対に守るから。

何でもいいや

きっとお嬢さんに理由なんてない。一番最初に見付かった時、城の一番高い所だったから同じ所にいればすぐに見付けてくれる、騒ぎを大きくしなくて済む。きっと部屋に戻っているとは思い付かないであろう家来たちへの、お嬢さんなりの配慮だったんだ。

「わかった。ただし、お前が姫である以上は俺たちにもお前を守る義務がある。誰か一人で構わん。一緒に行動してくれ」

「ごめん、お願い」

ハウラムは彼女の腕を離すとリオディナとかいう女顔と一緒に部屋を出ていった。きっと、吸血鬼の貴族様に話を聞きにでも行ったんだろう。ミオラスとかいう子供を残して行ったのは意外だったが、別に気にしなくても良いか。緊急事態にならない限り、彼女を遠くから見守るという俺の仕事に変わりはないんだからな。
本当はしたくないんだって事はちゃんと分かってる。
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