絶対に守るから。
例え俺の心の内を知られていなかったとしても、付け加えずにはいられなかったんだ。自分が特別な存在になれる立場ではないと知っていたし、万が一、察されでもしたらと怖くなったんだ。身分の違いがあるがゆえに断られ、嫌われる可能性があると知っているから。

「うーん。まぁ、そっか」

どうして寂しそうな表情をするんだ。俺の言葉で感情が動くから姫になっても諦められずに胸が苦しくなるのに。まだ諦められなくて、必死に好かれようと頑張ってしまうのに。
分かってはいるんだ。すぐに諦められずにうじうじ悩んでいる俺が悪いんだって。ふっとした表情に振り回されて落ち込んで寝付けなかったとか、嬉しくて地に足が付いていないとかよくある事で。彼女の事を考えすぎているせいで戦闘訓練やいつもの任務に支障が出ているんだから早く諦めた方が良いのも分かってる。でも、諦められないんだ。
< 6 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop