Deal×Love
足が怒りで勝手に速くなる。

後ろからはパタパタとかけてついてくる桜の足音。

広間の扉の前に着くとそのままの勢いで二つの取っ手を握り締めて扉を開けた。

怒りを抑えきれず、バァン!と大きな音が出た。

こんな乱暴な態度を父に初めて見せたからかもしれない。
中に居た父は入ってきた私を見て何事かと一瞬目を見開いた。
隣には母が居て、父にワインを注ごうとしていたのかワインボトルを持ちながらこちらを父と同様、目を見開いて見ていた。


「なんだ、その態度は!?そんな風に扉を開けろと躾た覚えはないぞ!」

だが、すぐにいつもの父。
眉に皺を深く刻んで私に怒鳴った。

「貴方に躾けられた記憶は私にはありませんけれど。でもまぁ確かに躾にはなっていますね、反面教師として」

私は動じることなく、わざとそう言いながら目を鋭くさせて父を見る。
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