Deal×Love
「え……?」


苛々して怒鳴ったのに、次の瞬間、目と口を開いたまま言葉を失い、固まってしまった私。
さっきまでは海さんを見ようとしてなかったから気付かなかった。


「言い訳、聞いてくれる気になった?」

海さんは静かに優しい顔で呆けている私に問い掛ける。
言い訳を聞くよりも、それよりも、


「それ……何ですか……?」

私は違和感のある部分を声と指を震わせながら指差して訊ねる。
すると海さんは何故か微笑んで、


「俺の好きな女性はね、御嬢様なんだ」

私の質問そっちのけで、突然脈略もないことを話し始める海さん。


「俺は特殊な家で育ったから母親が自分のことは自分でしなさいって育てられてね。大企業の家に生まれたけど周りの人間よりかはまともな人間で育った」

どうして突然、こんな話を?
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