Deal×Love
「だからかな、何でこんなことも出来ないのって最初は思ったりした」

それより、私の質問に答えてくれないの?


「だけど彼女は下手くそながらも自分で頑張ってた。俺の若い頃を見てるみたいだった」

海さんは穏やかな顔で話し続ける。

弥生さんとの馴れ初めを私に聞かせて、どうしたいの?

私の顔は彼とは正反対のものになっていく。


「不器用で、完璧ではないけど、頑張り屋さんでね」

これ以上は嫌な予感しかしない。

聞きたくない。

だって私を壊す言葉しか出てこないのは分かってる。

私は海さんから逃げるように勢いよく顔を背けた。


「椿」


それなのに名前を呼びながら両頬を囲うように掴まれて。
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