2番目に君を、愛してる。

阪本さんによって疲れきった私に、新藤さんが「どうしたの」って聞いてくるけど言えるはずがない。

それに今日は青山先生にもからかわれて、余分に疲れてしまった。


「コーヒー淹れますね」

「ありがとう」


夕刊を読む新藤さんに声を掛ける。

バッグから青山先生にもらったコーヒー豆を取り出した。少し濃くて品のある味で、きっと新藤さんも気にいるだろう。


どうせならーー
食器棚の奥に隠しておいた2つのマグカップを取り出す。


2人でショッピングモールに行ったからもう3週間が経つが、まだ一度も使っていなかった。


「どうぞ」

「ありがとう」


向き合って席に着く。


すぐに新藤さんは湯気の立つマグカップを持ち上げた。


「素敵なカップだね」


「はい。実はこの間、一緒に買い物をした時に買ったんです」


「いいの?俺が使っても」


「2人で使いたくて、お揃いで買ったんです」


「ありがとう」


柔らかな笑顔。


新藤さんから贈られたネックレスには敵わないけれど、私なりの気持ちを、優しく包み込むような表情で受け取ってもらえたことが嬉しい。


きっと新藤さんとなら、ささやかなことでも喜び合えるのだろう。

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