2番目に君を、愛してる。
私の隣りに座る阪本さんのスカートは短く、白い肌が覗いている。
髪の毛から良い香りもする。
「それじゃぁ明日、お菓子作ってきても良いですか?」
「お菓子?」
「パンケーキ焼くことが得意なんです」
身を乗り出して阪本さんは訴える。
「そうなんだ。俺、甘いもの食べないんだけど、奥さんが喜ぶかも?」
「奥さん!?」
奥さん!?
辛うじて私は声に出さなかった。
「あれ?妹から聞いてなかった?俺、結婚してるんだ」
新藤は妻の苗字なんだ、と付け足された。
「……」
彼女は大きく目を見開いて私を見た。
同じように私も動揺していたが、頷いておく。
「………あ、ごめんなさい、今は受験だから母にお菓子作りは禁止されてるんでした」
「それは仕方ないね」
阪本さんはふらふらと立ち上がる。
余程、ショックだったのだろう。
「お会計を…」
「ああ、もう時間か。まとめて払っておくから大丈夫だよ」
柔らかい笑みで新藤さんは彼女の手から伝票をとった。
「…ありがとうございます。失礼します」
「身体を大切にね」
阪本さんの後ろ姿を黙って見送る。
嫌いだった彼女が、少し可哀想に思えた。