2番目に君を、愛してる。
赤い看板にはローマ字で店名が記されて、とてもお洒落だった。
ふんわりとしたパンが陳列されている様子を窓越しに確認する。
新藤さんは、お墓参りの帰りになにを思ってパンを買ってくれたのだろう。
地図アプリではパン屋から5分程歩いたところに墓地があると示すが、私の足はパン屋から一歩も動けなかった。
もし仮に新藤家のお墓があったとして、偶然にもそれを見つけることができたとして、
そこに眠っている方の事情も名前すら知らない私に手を合わせる資格はあるのだろうか。
大切な人の死がどれほどの悲しみか、私はよく知っているじゃないかーー土足で過去に踏み入れられることを恐れるくせに、他人の秘密を軽々しく詮索しようとしているなんて、アホらしい。
盛大なため息をついて、青空を仰いだ。
ああ、新藤さんが此処に来た日に、晴れて欲しかったな。